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あきゆめくくる体験版感想(本作・過去作ネタバレ注意)

今日11月18日から体験版が公開になったあきゆめくくるの体験版が面白かったので感想と少しばかりの予想?を書きたいと思う。

オープニングムービー

まずはストーリーで公式サイトより

①人工的なDNA“XNA”を組み込まれた、普通の人間とは違う能力を持つ人々が住む近未来。

その中でも、政府から特別に危険と判断された6人の少年少女

……つまり僕らは、とある都市に新設された学園に通わされることになった。

政府から僕らに突きつけられた軟禁を解くための条件は、学園からの卒業。

頑なに秘密とされている『ルルラン学園』からの卒業条件。

数々の手がかりを探し出して、僕らはひとつの推測を導き出す。

その条件とは、“ ラブコメ” すること。

偶然女の子のパンツを見ちゃったり?

パンをくわえた登校中の女の子とぶつかる?

一緒にお弁当を食べたり、変な性格の妹がいたり?

——“ラブコメ”っていったい、なんだろう?

人間以外の全てが同じ1日をループし続ける、狂ってしまった世界を舞台に、今世紀最初で最後の『量子力学ブコメディ』の幕が上がる!

②かつて、人々は闘争をした。

『保持者』と呼ばれる人工DNA“XNA”を組み込まれた異能者達と、普通の人々の対立は、『保持者』側の敗北で終結を迎えた。

最後の学園闘争の中心にいた人物【原島ちはや】は、その責を問われることとなる。

隔離追放の処分を受けて辿り着いた先は、北海道の街『ルルラン』。

量子爆弾の爆発という大事故により、全ての可能性を殺された場所。

この街の人間は皆その形を失い、生きていながら死んでいる。

影のような幽霊のような存在『WSP』となって、同じ時の中を延々とループしていた。

ひたすらに繰り返される、ゴールの見えない日常。

秘匿されている学園からの卒業条件を探して、変化を求める異能者達。

そして目にする、ルルランの現実。

「世界を変えたい」と願う気持ちが再び熱を帯びて、この街を救う決意をする。

ルルランの変化に必要なものは「前に進みたい」感情であるという仮説に至り、

マンガからヒントを得たちはやは「全力でラブコメをする」ことを提案する。

困惑しながらも賛同するメンバーは、それぞれの持ち味を活かしたイベントを経て、日常生活を恋と友情に溢れた青春の日々へと変化させていく。

そして、大掛かりな王道イベントである学園祭の発案。

学園祭の準備を進めながら触れ合う時間の中で、少しずつ開いていく過去の傷跡。

闘争を経て、仲間の保持者達の未来を奪ってしまった【伊橋歩】の苦悩。

自らの保持者としての能力で、意図せず多くの人を殺してしまった【小高柚月】の後悔。

保持者としての欠陥と、自覚のない二重人格のような症状に苦しむ【土織キス】の哀傷。

記憶を失う前は猟奇殺人者であったという事実を抱える【佐々木沙織】の困惑。

ルルランと自分達を変えるため、苦しみながら、傷付きながら。

ちはやは彼女の手を取り、この街の真実を追い求める。

秋を繰り返した先の夢に辿り着く、その日を目指して。

ということです。体験版はちはやがルルランに送られ、目的が分からないまま、ワスプ達を救い観測できるようになる手段のためラブコメをしていき世界を変えたいと決意するまでの導入(プロローグ部分)でOPまでが描かれます。

だいたいプレイ時間は3時間程度でしょうか。意外とサクッと終わります。

内容としましては今までの渡辺僚一先生作品の集大成ともいうべき内容になると思われます。

主人公達は明らかに世間一般から外れた存在として描かれており、その救済が個別ルートであり、最後にグランドルートという流れではないでしょうか。

今までのストーリーが縦に繋がっていたはるくる、なつくるとは違い、明らかにプロローグ時点で個別ルートに入るような選択肢がいくつもありました。これも世間一般でいうラブコメエロゲを模しているものと思われます。

最初は渡辺僚一先生が企画・シナリオでラブコメと聞き本人の精神が大丈夫か(笑)と思ったのですが、最初から萌え萌えな作品を書くつもりはなかったようです。

しかし、舞台・設定を奇抜にしておき、混じりけのないその中である意味徹底的に純化した愛という題材を大真面目に書くのだと思います。

以前より渡辺僚一先生は作品にて精神と肉体の関係での肉体の優位性について何度も語っておりました。そこでこのラブコメという設定が活きると思います。

体と体だけ繋がれば愛なのか、心と心だけが繋がれば愛なのか、性器の有無は関係無いのか。セックスはするのかしないのか。

題材として去勢去勢いうヒロインがいたり、最初で最後の保持者世代ということで自分達のイカれた遺伝子を残してもいいのか、子作りについても真剣に話し合われるでしょう、

真の意味でエロゲでしか語れない内容だと思います。どうしても精神は肉体に引きずられてしまいます。

そうしてSFを交えながら渡辺僚一先生の考える恋愛とは一体なんぞやということが描かれると思います。

難しいSF要素については門外漢なので、そこそこに考えつつも読み飛ばしつつという感じでしょうか。

それでも少し考えさせていただくと、近作は観測というキーワードが頻発します。ちはや達登場人物のワスプへの観測、プレイヤーのちはや達への観測の中で何らかの仕掛けがあるのではないでしょうか。エロゲというものは場面場面で描かれる以外のキャラの行動以外は行間を読むしかありません。

例えば、ちはやと歩しか出てこないシーンでは、他のキャラは観測できません。その間何をしているのか。プレイヤーの観測により、キャラは設定を持たされるなんて事も描かれたら面白いと思いました。

そういえば過去作のindigoでもプレイヤーが作品に干渉し、気に食わない展開だからやり直しさせるという展開がありましたね。

また、メタフィクションの側面もあると思われます。まず作中ではキスにより、自分達はコンピューターの登場人物に過ぎないのかではないかという問題提起がされていますし、

作中のキャラ達が作中のキャラ達から見て反応が届かない人々(ワスプ)を楽しませるためにラブコメを演じるってまるでエロゲキャラとプレイヤーの関係ではないかと思うのは穿ちすぎでしょうか。

方向性でいうと最近だと紙の上の魔法使い??方面でしょうか。あそこまでひねくれてないでしょうけど。

また今作のキャラの中で保持者女性組は巨乳ばかりです。なつくるでヒロインが可愛くてロリ顔ばかりの理由を可愛ければ弾圧や殺されにくいからグラビティウォーカー(マンイーター)達は人間種でネオテニー化の進化を行なったという理由でそれっぽく仕上げていましたが、今回は巨乳を女性の保持者は肺に気嚢という器官があるために巨乳になるとの理屈付けを行なっていました。あっぱれ。

と色々書きましたが、渡辺僚一先生作品で大切な一個性でもある、テンポの良い会話やキレてる下品な下ネタギャグは健在であり、体験版でも何回も笑いを堪えて気持ち悪い顔になってしまいました。

後、冒頭の女の子1~3はワーさん、スーさん、プーさんでしょうかね

予約は済んでいるので、わくわくしながら発売日を待ちます。