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『Inscryption』攻略メモ+感想(ネタバレあり)

Steam:Inscryption (steampowered.com)

Steamで配信中のゲーム『Inscryption』をクリアした。非常に楽しくプレイし、10時間強でクリアできた。2021年10月20日にPC(Steam)にて配信開始され、「Daniel Mullins Games」が開発し、「Devolver Digital」が販売を行うタイトルである。

下記からはネタバレありで攻略メモと感想を書いていく。メモということで論理立っておらず読みにくい部分もあると思うが、どうかご容赦願いたい。また難易度が高くて進めないが、攻略サイトが少なくどうしたらよいか分からないという方も、私なりの突破方法を記すためネタバレ防止のために少しずつスクロールして参考にしてほしい。

 

 

ACT1 レシーパート編

初起動時に最初に人の声がして、タイトル画面がニューゲームが選べずコンティニューしか選べない時点で、このゲームなにかあるかもな‥‥と考えた。まずカードゲームだという事をよく確認しないまま購入したため、チュートリアルはあったがルールの把握に時間がかかった。主にプレイされているTCGのMTGも遊戯王もデュエマも通ってきておらず、カードゲーム脳が一切出来上がっていないため、正直ACT1の時点では雰囲気でプレイしていた。

ローグライクパートがあり『Slay the Spire』フォロワーかと思いプレイしていた。しかし序盤オオカミのトーテムのマスで負け、レシーからロウソクを取ってこいと言われ、カードゲームからいったん離れることが出来たのには驚いた。今までローグライクカードゲームをしていたのに、探索アドベンチャーゲームが始まったのは衝撃であった。

そして初ボスである探鉱者と戦い、ボスは2回続けて倒さないといけないと知り絶望していた。探鉱者は2戦目でこちらのカードを金塊に変える戦法を使い、それの対処を後手後手にしているうちに初めての敗北を喫した。敗北時にはカメラを撮られ自分自身のカードを作るという事であったため、最初はリスのコストとオオカミの攻撃力、カラスの効果飛行でカード(SIGH)を作った。

そしてその後骨の効果を説明されゲーム本編が始まった。3D探索パートで何か行動するとカードやアイテムが手に入り、カードゲームにも影響があるという事が分かったため、最初に調べられるだけ部屋を調べてカードを増やした。先ほど負けた探鉱者だが、金塊に変えられないように場に出すカードを絞り、金塊で相手の攻撃をガードしている間に手札を揃えて突破できた。

 

 

次のボスは釣り人だが、1戦目は釣り針でこちらの最後に出したカードを狙う仕掛けがある。それに気づくとターンの最後に出すカードをリスなどの取られてもよいカードにして突破できた。2戦目では1戦目で自陣に置いていたカードの目の前に餌バケツが置かれる。何だこれと思って攻撃するとホオジロザメが出現した。自分も強いカードであったため何とかなるだろうと思ったが、圧倒的な攻撃力の前に撃沈。

再度釣り人に挑んだ時は2戦目の突破方法として、餌バケツの前に来てしまったカードは、たとえ強いカードでも生贄にして空いている列から攻撃するor餌バケツの前はリスをおいて攻撃しないという手段で突破した。

 

 

3度目のボスである罠猟師と商人は非常に苦労したボスである。今までとは違い1戦目の方の対処に苦労した。1戦目は罠猟師らしくジャンプトラップという、倒すと目の前にいるプレイヤーカードも破壊してくるというえげつないカードがある。そして奇妙なカエルという倒すとジャンプトラップに変化する生物もいる。倒さないと相手の天秤を傾けられないが、倒すとこちらのモンスターが破壊されるというジリ貧な状況でこの対策が大変だった。そして1戦目を倒せたとしても2戦目の商人戦に必要な皮をあまり持っていなかったので、その後商人が出してくる強力な生物に場を蹂躙され2回ほど敗北した。

しかし敗北し自分のカードを作る場面で非常に良い引きをして、リスの0コストでユラユゥリの体力7攻撃力7、そして飛行持ちのカードが作成できた(SIGH3)。そこからはデッキの枚数を絞りそのカードが引きやすくして、引ければ勝ち確定のような状況が作れた。

結局罠猟師と商人に勝った方法は、弱い生物で適度に罠を破壊しつつ皮を手に入れ、上記のSIGH3が手札に来たら3D探索で手に入れていたナイフで目を抉り、一気に天秤を傾けて1戦目を突破する。その後手に入れた皮で、ある程度相手の生物を買い取り空いた列にSIGH3を出して一気に勝つという方法であった。

 

 

そしてレシーに挑む前の試練では、1回目の試練は無事2枚ドローの恩恵を受けられた。ただ2回目の試練は時計の新たな謎解きが解けておらず、リングを手に入れておらず、その後の試練もクリアできなかったため1回目以外は恩恵を受けなかった。

それでもレシーを1回目の挑戦で突破できたのは、まず1戦目は相手の場にあるモースマンをアイテムのハサミで破壊し、マンティスゴッドの前にリスを置く。そして次のターンで強めのカード(自分の場合はSIGH3が来たので出した)を場に出して、マンティスゴッドを破壊する。この方法で1戦目は楽々クリアできた。その後もSIGH3が場を蹂躙し、2戦目も悠々クリア。3戦目の月戦は相手の体力が多いだけなので、こちらも攻撃力の高いカードを場に出してジワジワと削ってクリアした。

このACT1レシーパートを語る上で外せないのが、3D探索パートでの謎解きである。目を抉ると貰える魔法の目で見えるようになる時計の謎や、カードゲーム中に倒されて檻が破壊されるともらえる狼。徐々に造形が変わりキモくなっていくオコジョとカメムシ、ルールブックに書いてある数字を入れると開く金庫など、カードゲームと謎解きが密接に関わっており、カードゲームパートの面白さとともに、その謎がゲームへのモチベーションを保ってくれた。上記に試練で必要なリングを見つけられなかったと書いたが、クリア後に攻略サイトを見たら自分の知らない小ネタや謎がまだ多くあり、とても作り込まれているゲームだと感じた。

 

そしてレシー撃破後に衝撃の展開があり、現実の「ルーク・カーダー」という人間がゲーム内に出てきてカードパックを開けたり、ゲーム『Inscryption』をプレイしようとしていたりという映像があった。謎解き要素が強いことからただのカードゲームではないと考えていたが、まさかここまでメタフィクションだとは思わなかった。今考えるとゲームで一番最初に挿入された声は「ルーク・カーダー」の声であったのだろう。自分はこういったゲームと現実が混ざるメタフィクションが大好物のため、ここからさらにゲームへとのめり込んだが、純粋にローグライク系のカードゲームがしたかった人は、ここでやりたかったゲームが別物へと変わったことに面食らうだろう。

そして映像を見終わると真っ暗な部屋に放り出され、どうにもならなくなりタイトルに戻ると、初起動時は選べなかったニューゲームが選択できるようになっていたので、クリックすると新たな舞台だった。

 

 

 

ACT2 オリジナルゲームパート編

はじめにゲーム『Inscryption』の設定を語られ、今までの3Dグラフィックと打って変わり2Dの可愛らしいグラフィックになった。4人のボスを倒して新たなスクライブになれと言われ、初期デッキを選ぶ場面になり馴染みのあるACT1でも使っていたレシーの獣デッキにした。

各エリアを回り簡単な探索と謎解きをしつつ、手に入れたパックを開けてデッキを強化するというカードゲームらしいパートだったが、個人的にはACT2の序盤が本作で一番難易度的に辛かった。獣のスクライブを選んだため、最初は獣と死のエリアに行けるが、各エリアに点在する手下3人はACT1の戦法を思い出して簡単に撃破できた。

ただエリアボスのレシーとグリモラにはまったく勝てず、パックを手に入れるなどデッキの強化手段も序盤は限られているため、積んだのでは?と思い既プレイの友人に相談するとロボットのカードがおすすめとのこと。ロボットはゲーム開始時にカードを場に出す際に必要なエネルギーが1個の状態でスタートし、ターンの開始時に最大値が1個ずつ追加され最大6個まで増加する。そしてエネルギーは毎ターン全回復するので使いやすいという事を聞き、獣や死のパックのオマケでついてきたロボットのカードをかき集めた。

獣と死のカードはACT1でも使用していたのでルールが分かりやすかったが、魔法とロボットのカードはACT2から突然登場し、説明もほとんど無いため使っていなかった。魔法はモックスの概念がよく分からずに使わず、ロボットも導線の効果がよく分からなかったので導線は使わなかった。

ロボットのカードをデッキに入れてからは、序盤は墓堀人やリスで耐久しつつターンが経過しエネルギーが溜まってきたら強いカードを繰り出す。序盤で場に出していたカードを生贄にして獣の強いカードや、弱いカードで耐久すると死のデッキに必要な骨も大量に手に入るので順調に進み始めた。グリモラを倒すとレシー撃破は一旦置き、カード集めのためにロボットや魔法の大陸に進んだ。

ロボットを主力にしていたためロボット側の大陸から進んだ。もうカードゲームのセオリーがだいぶ頭に入っていたので特に詰まるはなかった。魔法のボスはこちらのカードの効果を勝手に書き換えてくるが、例えばガイコツの効果である攻撃したら破壊されるという、デメリットを上書きしてくれたのでありがたかった。

そしてこのあたりでACT1のオコジョはP-03、カメムシはグリモラ、隻眼のオオカミはマグニフィカスである事に気づいた。物語の先が気になるあまり急いで進行しすぎて、謎解き部分が神殿の地下の墓への捧げ物が何かわからなかったり、菌学者の存在に気付かなかったり、隠し通路に気付かなかったりともう少し探索すれば良かった。そして各エリアのボスを倒した後に、ゲーム世界中央の墓標にてロボットのボスP-03と戦い、相手が出した黒いカードを攻撃したら画面が暗転しまた次の舞台となった。

 

 

 

ACT3 P-03パート編

次はまた3Dグラフィックに戻ったが、腕を繋がれている人間がACT2で登場したロボットのボスP-03とカードゲームをするという形だ。またこのパートでもACT1と同じようにカードゲームから離れて周囲を探索し謎解きが行える。しかし今回はACT1とは違いローグライクではなくマップを行ったり来たりして、お金を溜めてカードを強化できる。

また個人的にACT2で主力として使っていたロボットカードのデッキだったので進めやすかった。ゲーム中制限時間内に指定数相手に攻撃を与えなければいけない場面もあるが、ダブルガンナーなどの複数回できるカードで何とか間に合った。

マップはACT2と同一であり、まずはレシーとグリモラのいた大陸に進みボスを倒した。ボス戦途中で自らのPCファイルを参照する展開になったときは、プレイヤーである私とゲームが繋がるDDLCと同じような没入感を覚えた。ただファイルの年月が古いほど効果が強力になるが、私のノートパソコンは2021年の3月に買い替えたばかりで、強力な効果が発揮できずに焦ってしまった。

ACT3のMVPは空き容器だろう。各ボスを倒すと空き容器に機能を合計3つ追加できるが、私は「マイティ・リープ」「針毛」「セントリー」を取得し飛行でも突破されず、1マスプレイヤー側に動いたときに攻撃できる。攻撃されたらされたで、相手に1ダメージを与えられる。ロボットのデッキは序盤エネルギーが貯まるまで、空き容器を使った耐久を求められるので戦略がはまった形だ。

 

 

ゲームを進めるにつれP-03が「大いなる超越」という、現実世界に『Inscryption』をアップロードしようとしているのが分かる。作中では阻止されたがこうして私たち現実世界の人間がゲームを購入し、プレイ出来ているという事からすると実は「大いなる超越」は成功していたと考えて良いのだろう。

P-03をはじめとしてレシー・グリモラ・マグニフィカスなどの作中キャラは衝撃の展開を巻き起こしたり、それぞれの思惑で動いたりしていたが、ACT1ではカードとして何度も助けてもらったこと。そしてACT2からも相対して戦い背景が深掘りされるにつれ、徐々に不思議とキャラクターへと愛着が湧いていた。そのため最後グリモラがゲームデータを削除したあと、各キャラクターと対戦し握手をして別れる展開には寂しいものがあった。

TCGをはじめとしたカードゲームに全然触れていない自分が言うのもおかしな話であるが、TCGは交流ツールとしての側面が強いと捉えている。私が主にプレイしているADVやRPGなどと違って、ほかのプレイヤーがいないとそもそも成立しないゲームスタイルである。

そのため『Inscryption』は現実世界すら巻き込んで練られた世界観味わうゲームであったとの同時に、カードゲームを一緒にプレイしてそのプレイングやカード交換、対戦を通し、徐々にその相手の人格や背景を知っていくというカードゲームの持つ交流ツールとしての根源的な楽しさを、圧倒的な作り込みで描写しようとしていたのではないだろうか。

 

 

note.com

クリアはしたが作中に登場した「OLD_DATA」とは一体何だったのかという疑問が残る。アメリカでは作中に出てきた場所に向かうと、実際にフロッピーが出てくるなどの現実拡張ゲームが本当にあったようだし、上記の記事を見る限りイースターエッグはかなり隠されているようだ。

 

『Inscryption』をプレイできて本当に良かった。カードゲームのルール自体は共通であるが、手を変え品を変え二転三転するゲーム内容に驚き、一切飽きることなくプレイできた。カードゲームの経験が無くても、各カードの効果が複雑すぎず、分かりやすいルールだったのも続けられた要因の一つだろう。