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羊文学の平家物語主題歌「光るとき」がとても良いという話

つい先日羊文学の新曲「光るとき」のMVが公開された。

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この曲はFODで先行配信され、テレビや配信サービスでは本日より公開されたアニメ「平家物語」の主題歌です。既にアマゾンプライムなどでは第1話が配信されているため良ければどうぞ。
「光るとき」の曲自体の配信も昨日より始まっています。
www.amazon.co.jp

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平家物語というのはさすがに学校の古典で習っていると思うのですが、鎌倉時代に成立したとされ平家の発展と滅亡、源家の台頭などを描いた軍記物語です。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ」という平家物語の冒頭部分は誰もが口ずさめると思いますが、その平家物語をアニメ化しています。監督に山田尚子、脚本・シリーズ構成に吉田玲子というまず間違いなく期待の持てる座組です。

その中で羊文学の主題歌「光るとき」も曲全体に盛者必衰の理のテーマ性が練り込まれており非常に作品に合っていて素晴らしい曲だと思います。
まず「あの花が咲いたのは、そこに種が落ちたからでいつかまた枯れた後で種になって続いてく」「あの花が落ちるとき、その役目を知らなくても側にいた人はきっと分かっているはずだから」というのは、花の生涯という事と盛者必衰の理の象徴である「沙羅双樹の花の色」にかかっているのと同時に人生のメタファーですし、それぞれのサビの
「最終回のストーリーは初めから決まっていたとしても 今だけはここにあるよ 君のまま光ってゆけよ」
というのは史実ベースの平家物語であり、アニメを見ている私たちは誰もが当然アニメの最終回で平家が滅亡してしまうのは知っているけれど、その中で生きた人々は確かにいるという事と、同時に私たちは死という逃れられない最終回が決まっているけれど、それでも今生きているという事。
「いつか巡ってまた会おうよ 最終回のその後も誰かが君と生きた記憶を語り継ぐでしょう」
平家物語は琵琶法師が平家物語を琵琶の伴奏に合わせて語る平曲として語り継いでいたという事、そしてずっと語り継がれてきたからこそこうして現代にアニメとして形を成している事、同時に私たちは死んだら個人としては終わりですが、家族や友人・大切な人が生きた記憶を持っていてくれる事。
「いつか笑ってまた会おうよ 永遠なんてないとしたらこの最悪な時代もきっと続かないでしょう」
盛者必衰の理を盛り込み、平家滅亡と現代のコロナ禍や今何もうまくいかない最悪な人生を生きている人への寄り添い方をリンクさせている等900年前の作品のテーマと現代のテーマを同時に入れ込みつつ、900年経っても人間は変わったりなんかはしないという事。それでも900年前から受け継いできた物があるという事を5分49秒で完璧に表現されていると思いました。

例えば岬のマヨイガの主題歌マヨイガは去年の好きな新曲に挙げていますが、
sigh-xyz.hatenablog.com
作品のテーマ性を十二分に歌詞全体で表現しつつ、それでいて現代の世界に向けての普遍的なメッセージに変換しているのはお手本のようなタイアップ曲で塩塚モエカさんの作詞作曲能力(もちろんオリジナル曲もとても良い)はべらぼうに凄いなぁと思いました。

今回の記事の内容は曲を聞けばそんな歌詞で言いたい事は分かるよと思われるかもですが、私が書きたかっただけなのでよろしくお願いします。