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リアル志向のハンティングアクションゲーム『Way of the Hunter』レビュー


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『Way of the Hunter』は8月16日PS5/Xbox Series X|S、8月17日にPC向けにリリースされた(PS5パッケージ版は9月8日発売予定)ハンティングアクションゲームである。

スロバキアの首都ブラチスラヴァに拠点を置く「Nine Rocks Games」が開発し「THQ Nordic」がパブリッシングを行っている。「Nine Rocks Games」は「Bohemia Interactive」でプロジェクトリードとして活躍したDavid Durcak氏がCEOを務める新スタジオであり、『DayZ』や『Soldier of Fortune: Payback』などを手掛けたクリエイターも所属しているという。そんなスタジオが開発したハンティングアクションはどうなのか書いていきたいと思う。

良かった点

リアルな臨場感が味わえる

本作の特徴ははじめにリアルなハンティング体験にある。狩りの相手となる野生の動物は本物さながらに動き、プレイヤーが不用意に近づくと逃げてしまい次の日まで現れないというシステムだ。またアメリカの銃器メーカー「レミントン」などとパートナーシップを結んでおり、実在する機器がゲーム中に登場するという演出も没入感を高めるのに成功している。

舞台はアメリアイダホ州の「ネズバース渓谷」と、ルーマニアの「トランシルバニア」の2か所でその広さはそれぞれ144平方kmとなっている。美麗なグラフィックで描かれた広大な世界は、様々な美しいロケーションが用意されており、この広々としたフィールドは観光するだけでも楽しく、そしてその中には獲物がいるのだと思うとプレイヤーの期待を煽るものとなっている。

ただ、銃弾や車が無料で使い放題というリアル的ではないゲーム的な便利な仕様もきちんと組み込んでいる。例えばせっかくハンティングが主軸のゲームなのに銃弾を節約したり、銃・ギア・アタッチメントなどのハンティング用品に金を使いたいのに、車を壊すと大金がかかってしまったりなどの要素があると純粋にハンティングに集中出来なくなる。ハンティングアクションに関するシステムだけリアルさが味わえるというある種の割り切り方も、プレイヤーのストレスの軽減に役立っていた。

主人公と一体化するゲームプレイ

ハンティングはチュートリアルは存在するものの、ゲーム側が手取り足取り教えてくれるというシステムではない。オープンワールドゲームということで自由に狩猟を行うことは出来るがハンティングのシミュレーションゲームではないため、きちんとしたストーリーが用意されておりクエスト形式で進む。

ゲームの大半はクエストの目標の動物を狩るというプレイになるが、クエスト地点まで行ってすぐにサクサク獲物を狩ることは出来ない。まずは主人公の「ハンターセンス」という能力を使い、足跡やニードゾーン(動物の食事、給水、休憩場所のこと)を見つけることから始まる。そして動物の痕跡を発見すると百科事典の獲物の情報が更新され、マップに分布が表示されるようになり、それを元に24時間ごとの獲物のライフサイクルを確認して自宅に戻って時刻の調節をして、対象の動物を探すというルーティンになる。

獲物はフィールド上で縁どられていたり、浮いたようなグラフィックではなく、自然に溶け込んでいるため発見するまでに時間がかかる。そして獲物を見つけてからがハンティングの本番である。動物はプレイヤーの気配を敏感に察知するため、遠くの狩猟スタンドから狙い撃つ。車で近くまで行かない、気配を感じさせないために走らない、木々に隠れながら匍匐前進・しゃがんで進むというプレイが主となる。見つからないように慎重に追跡し銃弾を撃ち込んでも、倒れた獲物を調べる時にどのように銃弾が当たって貫通し、どれくらい獲物の内臓を傷つけたかが表示される。

本作は獲物を捕獲するとその肉を売却するか剥製にするか選べるが、あまりに獲物の損傷が激しいと売却しても高値で売れない。そのため適切な距離と適切な銃を選ぶという手順が必要となる。また中途半端に銃弾が命中し獲物が逃げている途中で力尽きるという場合もあり、この場合血痕の見つけにくさや前述した獲物の視認のしにくさも相まって、見つけた頃には肉質が劣化しているということも多く、なるべく心臓や肺などの急所を狙い一撃で倒すというプレイングを求められるようになる。これをリアル志向と取るかゲームらしくない面倒な仕様だと取るかはプレイヤー次第である。ただ自分が主人公のリバーとなって実際にハンティングをしているのだという感覚や、苦労して獲物を狩った時の達成感はあった。

気になった点

難易度の高さ

私はハンティングアクションというジャンルのゲームは初めてプレイしたが、非常に前述した通りハンティングの動作が難しく、慣れるまでは非常に難易度が高いと感じた。

ゲームに慣れてくると自分なりのルーティンを組んで主体的にハンティングに赴けるようになるが、最初の頃は獲物を待つことが出来ずにグングンフィールドに分け入りクエスト対象の獲物を逃がしてしまうということが続いた。

エスト内容も指定の部位を撃ち抜くor撃ち抜かない捕獲するという難易度が高めのものが存在し、前述した通りあまりに「ゲーム的」ではないハンティング要素も合わせてハードルの高さを感じるのも事実だ。

 

開発元の「Nine Rocks Games」は今後の『Way of the Hunter』のロードマップを公開しており、今後のアップデート予定の説明やDLC紹介もあり引き続きコンテンツが追加される模様だ。

直近でもパッチがリリースされており、人は選ぶがハンティングゲームが好きな方は長く楽しめるゲームになるだろう。