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中世フランスが舞台のダークファンタジーステルス&謎解きアクションゲーム『プレイグ テイル -イノセンス-』クリアレビュー(ネタバレなし)

黒死病が蔓延する中世フランスを舞台にしたダークファンタジー的世界観が特徴の、ステルス&謎解きパズルアクションゲーム『プレイグ テイル -イノセンス-』をクリアしたためレビューを書いていきたい。プレイ時間は10時間程度であった。

 


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『プレイグ テイル -イノセンス-』はフランス・ボルドーに拠点を置く「Asobo Studio」が開発し、「Focus Entertainment」が販売を行っている。2019年5月14日に販売され、日本では「オーイズミ・アミュージオ」が国内PS4/PS5発売を担当している。

 

自分がプレイしようと思った理由としては以前から気になっており、続編 『プレイグテイルレクイエム』が10月18日発売予定と発売日が近づいてきたこと。Xboxゲームパスで『プレイグ テイル -イノセンス-』の配信が9月15日で終了することが重なり、プレイするなら今しかないと考えたからである。

 

良かった点

陰鬱とした退廃的な世界観

本作はペストが蔓延した百年戦争の真っ只中の14世紀フランスが舞台である。中世の頃は不衛生で街中も荒廃していたと聞いたことがあるだろう。ゲーム的に多少は小奇麗にオミットされているとは言え、キャラクターの服装、街のフィールドや小物などからその頃の退廃的な雰囲気が伝わってくる。

そして本作の象徴でありペストと死のメタファーでもある「カミツキ」と呼ばれる人を食らうネズミが跋扈している。その他にもゲーム中はちょうど百年戦争中であったりペストに罹った人を処刑していたりという描写があり、ほとんどのフィールドには死体とネズミが大量に存在する。そのため残酷な表現が苦手な方や、集合体恐怖症の人は気持ち悪くなること必至だと思われおすすめできない。ただ私はゲーム中の気持ち悪さに敏感な方だと思う(ダークソウル/エルデンリングのバジリスクでプレイ断念を検討したくらい)が、このゲームのネズミや死体はステージギミックとしての側面が強いため個人的には気にならなかった。

 

パズル要素とステルスアクションのゲームプレイ

主人公アミシアは特異な力を持つ弟が異端審問官に狙われるため当てのない逃避行を続けるが、幼く非力なため敵に見つかり近づかれると一発でゲームオーバーになってしまう。そのためゲームプレイの大半は遠くから気付かれないように敵を倒し、隠れながら進むビハインドビュー視点のステルスアクションが主体となる。父から教わったスリングを駆使してヘッドショットを狙ったり、火と光に弱いネズミを利用し、敵の持つランタンを落としてネズミに食べさせたりしてステージを進んでいく。

その他にもステージには台車を動かして足場を作ったり、開かない扉を小さな弟に頼んで狭い隙間を通り、裏から鍵を開けてもらうなどのパズル・謎解き要素もある。常に弟と手を繋いでいるということもあり「薄汚いICO」のような印象だ。開発者によると守るべき存在と旅をするという部分で「The Last of Us」にも影響を受けているようだ。

ステルスパートではいかにもこれを使ってくださいと言わんばかりに、頭上にネズミの入った檻や吊るされた死体がある。パズルパートもキャラクター達が「○○を使うんだ!」と言い、台車を動かす際も明らかに動かすべき場所周辺だけフィールドが整えられており、近くまで運ぶと後は自動で適切な位置までセットしてくれるなど、幅広い試行錯誤が楽しめるというよりは、一つの解法に向かって進めていくリニアなゲームプレイが主体となる。しかしストーリーの牽引力が強く、前述のフィールドを埋め尽くさんばかりのネズミと死体が緊張感を保たせ、退廃的だが美麗で荘厳な雰囲気でプレイヤーをゲームに没入させ「やらされている感」を上手く薄めていた。

 

繊細なキャラクターの感情描写

アミシアは領主の娘であり父ローベルは多忙で、錬金術師の母ベアトリスも病気で隔離されている弟のユーゴの看病のためほとんど会うことが出来ない。そのため家族の愛に飢えており母を独占していた弟に、最初は嫉妬の感情を向け姉弟関係もぎこちない。15歳のアミシアと5歳のユーゴ2人は過酷な旅路となる逃避行を続け、喧嘩もしつつ頼りにされる中で姉弟愛を深めていく。

ゲームではキャラクターの目的がブレてしまうと冷めることがあるが、本作はアミシアの「大切な弟を守る」という目的が一貫しており、ストーリーの盛り上がりも相まってアミシアの成長譚としてプレイヤーをエンディングまで引っ張ってくれる。

アミシアとユーゴ以外にも錬金術師の弟子ルカ、盗賊の少女メリー、鍛冶屋の息子ロドリックといった大人達に虐げられ家族を失ったという共通点のある仲間の少年少女キャラクターも登場する。道中を共にして苦難を協力して乗り越え徐々に打ち解け冗談を言い合い、陰鬱とする雰囲気を明るくしてくれる。仲間達と結束して異端審問官に挑むという展開もありジュブナイル要素も本作の魅力の一つだ。

 

主人公アミシアとプレイヤーとの一体感

ストーリー開始直後は石を投げ、逃げることしか出来ずひ弱だったアミシアも序盤以降はスリングで火を付けられる「イグニファー」、兵士の兜を脱がせられる「デヴォランティス」、ネズミを一箇所に集める「オドリス」など錬金術の技を使いステルスアクションではあるが戦場を主体的に進んでいくことができるようになる。初めて人を殺してしまった時は狼狽えていたアミシアが、敵への憎悪やユーゴへの愛情で覚悟を決め殺人を厭わなくなっていく。その過程はプレイヤーが徐々にゲームの操作に慣れ、上手くアミシアを操作できるようになっていくのとリンクしておりアミシアへの感情移入と一体感を感じることができた。

 

気になった点

特定の終盤ステージの難易度

これは私自身の反射神経の鈍さやアクションゲーム適正のなさもあるが、終盤にアミシアに向かってくる敵を10人ほど連続でヘッドショットを決めなければならない場面が登場する。多少のエイム補正があるとはいえ前述の通りアミシアは敵に近づかれると即座にゲームオーバーになってしまうため、動いている敵を相手に連続でヘッドショットをするのは非常に難しく感じた。ここだけで2時間近く試行錯誤をすることになり、半泣きで偶然クリアできた。それまでは難易度的には緩いゲームプレイが続いていたため、非常にこの場面が難易度として目立っている。

 

日本語字幕の改行の仕方

ローカライズの質自体は特に気になる部分はなかったが、日本語字幕で長い固有名詞やキャラクターの「だわ」「だ」などの語尾が頻繁に1文で収まりきっておらず、次の文章と一緒に表示されるため読みにくい場面が多かった。

 

まとめ

『プレイグ テイル -イノセンス-』は中世フランスを舞台にしたステルス&謎解きパズルアクションゲームである。幼い姉弟が過酷な運命に巻き込まれる家族愛をテーマにしたストーリーは感情移入できる。ひ弱なキャラクターが懸命に生きるさまをステルスアクションという形で表現できておりシナリオとゲームデザインの噛み合い方が良い。大量のネズミや死体といった要素は人を選ぶがゲーム世界への没入感を高めている。