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「彼女系生命進化論パーフェクト☆ガール」感想(虚構英雄ジンガイアについても)

彼女系生命進化論パーフェクト☆ガール をリリースしました|SowChild|pixivFANBOX

彼女系生命進化論パーフェクト☆ガールのダウンロードは、この記事の各リンクをご確認ください。

 

同人&インディーズゲーム製作者であるまきなさんの個人サークルばかすかより、短編ノベル作品「彼女系生命進化論パーフェクト☆ガール」がリリースされたためプレイしました。まきなさんは前作「虚構英雄ジンガイア」もコミケで購入してプレイしたのですが、ファンタジーメタフィクション・親と子の関係・成長譚などを高いレベルで描いており非常に面白かったです。どげざ2017(同人ゲームオブザイヤー)にジンガイアがノミネートされ、ご本人がいらっしゃった時に直接感想を言えた事と、まきなさんからジンガイアって人それぞれ好きな場面が分かれているみたいという話を伺った事はとても私の記憶に残っています。

 

sigh-xyz.hatenablog.com

その時の思い出のブログ記事です。懐かしい。

 

虚構英雄ジンガイア (boy.jp) 前作の虚構英雄ジンガイアのHPです。

現在虚構英雄ジンガイアは頒布されていませんが、作者のまきなさんよりフリーソフト化のアナウンスが出ております。しかし、公式では公開しないのと事で、

虚構英雄ジンガイアを『人の手を巡る同人ゲーム』へ | ばかすかの日常 (boy.jp)

ばかすか様のサークルのブログより引用すると

「現在市場に存在する虚構英雄ジンガイアを譲渡可能とし、 プレイヤー間での本体およびデータの受け渡し(複製譲渡含む)を公式に可とします。」

との事ですので、お知り合いの方に所持している方がいたらデータを貰えないか頼んでみてください。もちろん自分でも大丈夫です。その場合はツイッターやブログでお声かけください。

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面白さは折り紙付きです。ただ本編にパッケージ版ならではのメタ演出もありますので、可能であればパッケージ版の入手も検討しても良いかもしれません。Vol1~3・FINALとあり全てプレイすると25時間くらいの長編ですが、とてもおすすめです。

 

 

ここからは「彼女系生命進化論パーフェクト☆ガール」のネタバレ感想となります。公式から注意書きがあるように本ゲームにはホラー要素があり、感想を書く上で本編のスクリーンショットを使用しているため、ホラー要素を含みますので閲覧には注意してください。また彼女系生命進化論パーフェクト☆ガールは作品の性質上ノベルゲーム・エロゲ等をあまりプレイしていない方には演出の意図が分かりづらかったり、あまり響かないかもしれません。ADVとしての仕掛けもあるのでぜひ自分で体感してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

彼女系生命進化論パーフェクト☆ガールの感想としてはとても面白かった。

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まず3人のヒロインが登場するが、それぞれ"幼馴染""後輩""先輩"とヒロインの属性だけ付与され、ギャルゲらしい会話を繰り広げ、ヒロインは主人公を好きになるものだと言われ、その後3人の内1人を選んでと選択肢が出現するため選択すると、

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こういった選ばれなかったヒロインが削除される演出となる。その後も最初に選んだヒロインの悩みに沿って分岐していき最終的にその悩みにどう結論を下すかという選択肢を選ぶこととなる。ここで描かれる悩みというのはゲームにありがちでありながらもその"キャラクター"にとって、ひいてはプレイヤーにとって切実な問題である。

そうして自分の選択肢によって選ばれていったヒロインの系統樹が完成する。

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これは作者のまきなさんによると243パターンあるという事でとてもお疲れ様です‥‥という感じです。この演出は時折エロゲ界隈で取り沙汰される「Kanon問題」という事項があります。これはざっくり言うと特定のヒロインを選んだ時に、他のヒロインのルートで明かされる問題が解決されない・救われないという構造についてどう考えるのかという事です。特にKanonでは一度しか起こせない奇跡で誰を救うのかという事から波及したと思われます。

私自身この構造には以前から関心があったので、本ゲームの演出にやられた~となりました。

 

 

その後主人公を操り、ヒロイン達を選んでいたプレイヤーの存在が示唆されます。

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こういった演出はメタフィクションを扱った作品だと結構あるのですが、この作品では実際にプレイヤーにヒロインをそのままの意味で直接選ばせてきたという流れがあるため、ズシリと来ます。

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 その後ゲーム内ではプレイヤーに対する直接の言及が始まり、上記したKanon問題や選択肢前でルート選択や選択肢の分岐回収のためにセーブ&ロードを繰り返す事について語られます。

 

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そして何故プレイヤーはエロゲ・ギャルゲをプレイするのかという事まで語られます。そうなんですよ!ヒロインたちの物語で救われたのは"僕"、僕が助けたのは"僕"なんです。ゲームで語られる普遍的でありながらも切実な悩み、その断片を作られたキャラクター相手だったとしても見出して感情移入し、主人公とヒロインが救われる事を通してプレイヤーも救われる。ハッピーエンドではないビターだったりバッドエンドが主体の作品もありますが、そこでも自分の気持ちを代弁してくれていたり、作中のキャラの境遇と自分をダブらせたりしてプレイヤーは物語を消化する事が出来ます。エロゲ・ギャルゲはゲームのジャンルの中でも特に、"人について"や"人との関係性"をメインに描いているからこそ、人を救うことが出来るのだと思います。

このゲームの最後は主人公とヒロインがプレイヤーが介入出来ない新たな舞台に立つことでエンディングを迎えます。プレイヤーに出来ることは、このゲームでまたはじめ選ばなかった選択肢を追う事ではなく、ゲームを終わらせて主人公とヒロインのこれからの幸せを祈る事だけです。まぁ、一回エンディングを迎えるとタイトルが下記の表示に変わってもう再プレイ出来ないんですけどね。

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全体の感想としては、プレイ時間にして20分程度の体験だったが、テーマを絞ってそれについて深く描かれていたのでとても濃密な体験が出来た。自分のエロゲ・ギャルゲを何故プレイするのかという事について改めて考える良い機会になったと思う。

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後ジンガイアの時も思ったけど、スタッフロールマジで凄い。

現在作者のまきなさんは次回作「滅亡するクロックパルス」を制作中ということですので期待して待ちたいと思います。