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ウウウルトラC感想(ネタバレなし)

ウウウルトラCは、2020年9月19日に発売された、同人サークルADELTA様の18禁のボーイズラブ作品。

公式サイトはこちら

私は前作古書店街の橋姫をプレイした時から、ADELTA様を追っておりまして、

コクーンコクーンブラックノイズもプレイしています。

そんな推しているサークルの新作、やるしかないということでプレイしました。

今回は大正が舞台だった橋姫から時代が進み、昭和。特撮作品がモチーフとなっています。

今作は主人公が3人おり、一人ずつ相手がいてカップリング固定、左右固定です。

ゲームシステムもまずは第1話を読むと第2話、第3話が解放されますが、普通に1→2→3の順番で読んだ方がいいと思います。

グラフィック・シナリオ・スクリプトサウンド・作詞作曲をほぼお一人でやられているくろさわ凛子さんがまず物凄いのですけど、

全部自分でやられているからだと思いますが、全てのレベルが高水準でそれぞれ噛み合っています。

同人ゲーム業界では全部一人でやられるやべ~天才が結構いるのですが、その中でも特に多芸でいらっしゃると思います。

まずグラフィックですが色使いや構図がよく考えられており、暗めな昭和らしさもありつつレトロポップな色使いで見やすく個性的だと思います。

立ち絵もスチルも崩れていることはなく、多数切り替わりながら物語が進んでいくため、一体何枚描いたのだと戦慄しました。

サウンドもご本人が担当されており、物語の要所にあった音楽が効果的に使われていたと思います。

特にヒーローサイレンは耳に残りますし、OPやED2のUbel等の楽曲はくろさわ凛子さんが作詞(時には作曲も)されているだけあってとても作品に沿った歌詞で良かったです。

シナリオも第一話をプレイするだけでは分からなかったり、語られなかったりする部分も多いですが、第二話・第三話とプレイする中で、

一側面からでは分からなかったキャラの内面や心情が分かるようになります。

それでまた、第一話からやり直しこのキャラはこの場面ではこんな事思っていたのかなと考えるのも楽しく周回プレイが捗ります。

内容も正義と悪・ヒーローの悲哀と孤独・愛など往年の特撮作品でも描かれていたテーマを、オリジナリティ溢れる筆致で描かれております。

プレイ時間も1ルート2時間程度で合計6~7時間程度で、気合を入れれば一日で終わります。

くろさわ凛子さんの文章はとにかくリーダビリティが高くするする読める事もその要因だと思います。

こんな短い時間で濃厚なプレイ体験を味わえるのはさすがです。

キャラクターも、それぞれの主人公CPは勿論、サブキャラもガッツリ話に関わってくるため、どのキャラクターにも愛着が持てます。

キャラの設定の背景やモチーフにも鉄人28号デビルマンガッチャマン等昭和の代表的作品が並んでおりリスペクトが感じられます。

私は主人公たちの中では一色鈴×蝶番史郎のCPが好きでした。

初恋の相手同志でお世辞にも性格が良いとは言えないし嫉妬深く面倒くさい史郎と、冷酷でありつつ史郎には一途で健気な鈴

お互いに向けるクソデカ感情がとても良かった。お互いの事を思っているからこそすれ違う様子が‥‥ハァ~~~(クソデカオタクタメ息)

あっ、そうだ(唐突)公式サイトの制作ページに後日談があって、第一話後日談「トツパースの雨」がまず載っているし、

今日10月1日22時~23時頃に第二話の後日談が更新されるらしいっすよ(宣伝)

同人ゲームとしては5000円近くの価格設定で、他ゲームと比較すると高いと思われる方もいるかもしれませんが、

作りこみを見る限り、もっと高くても良いと思います。

美麗なスチル等を見返すギャラリー機能があれば良かったと思いますが、多すぎて収録が膨大な数になってしまうのでやむなしですかね。

前作の橋姫はPSVitaにも移植されましたし、気が早いですが今作もスイッチなんかに移植してもっとハネてほしいなぁ‥‥と思います。

皆さん買ってプレイしましょう。